政治的に正しい脱デフレ法

(このエントリーは、badgebadgeさんのコメントに対する回答でもあります。)

以前、「『タクシー』でアベノミクスを理解する」というエントリーに対して、(私が「デフレの説明」としてどうですか?と質問してしまったせいですが)badgebadgeさんから「デフレの当初原因はやはり日本企業による低賃金国からの開発輸入だと思います」という指摘がありました。

これについては私もまったく同意見で、むしろ「当初」「開発」というワードを外してもいいと思っているくらいです。

今後日本がデフレを克服したとしても(できなかったとしても)、日本が先進国である限り(日本より低賃金国が存在する限り)、低価格の輸入品は(鎖国でもしない限り)常にデフレ要因として存在するでしょう。

では、これをどうするか。

たとえば「円安誘導」などの技術的なことで解決する・・・今がまさにそうですね・・・それについての可能/不可能性については、議論できなくもないのですが、私は(少なくともbadgebadgeさんとは)そういうことを話したいとは思いません。

なぜ、(他の先進国に対してではなく、途上国の通貨に対して)「円」が高いのか。

それは、「経済の強さ」を反映しているからです。

であれば、日本の「先進国としての責任」は、「途上国の商品を買う」ことでしょう。

途上国の商品を買って、途上国がそれによって経済成長を果たし、その結果途上国の通貨が高くなることによって「相対的に」円安が実現する。

これが「政治的に正しい脱デフレ法」でしょう。

この視点を(無意識であれ意図的であれ)外した脱デフレ法は、途上国から見れば結局は「差別」そのものに映るでしょう。

日本国内の脱デフレ議論が、「日本の先進国としての地位をいかにして確保するか」が前提となっているものばかりの中、(失礼ながら)私見ですがbadgebadgeさんはそれとは一線を画す考え方の持ち主だと思っています。

そういう人と経済の話(ソフトランディングの方法とか)であればしてみたい、そのように思っています。
(他にも、脱「『生産性の向上』が原因のデフレ」→成長を「必要条件としない」経済理論、とかいろいろ(これについては2015年1月1日エントリーをご参照ください)。)


では。
今後のご活躍を期待しています。