国際交流

GWはリア充気取ってブログ更新をさぼったfunaboristaです。


そのGWは、これは毎年の事ですが、サッカー観戦三昧でした。
私の応援するFC東京は、4/28に対清水エスパルス戦で相手が2人退場してから失点して0-1というとんでもない試合をしてしまいましたが、5/2ブリスベン・ロアー戦では4-2で快勝でACL決勝リーグ進出を決め、5/6のアルビレックス新潟戦でも、2-0で勝利しました。
総合してみれば、よいGWだったと思います(基準はFC東京だけなのか?)。


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5/2のブリスベン・ロアーはオーストラリアのチームで、当日は約100人ほどのサポーターが応援しておりました。
当日は結構雨が降っており、私も一緒に行った相棒も雨合羽を着て応援していましたが、ブリスベンサポーターは何人もの人が、試合が始まる前から既に上半身裸になってました。
試合は、負ければ予選敗退のブリスベンが試合開始早々の前半4分に先制し、ブリスベンサポーターも一気に盛り上がりましたが、その直後の前半5分にFC東京が同点に追いつき、そこからは東京が一度も相手にリードを許さずに試合終了を迎えました。


で、ブリスベンサポーターなんですが、これで予選敗退が決まってしまった試合、普通なら意気消沈、ガッカリトボトボとホテルに戻って、
・・・なんてのを想像しそうですが、これ↓が「試合直後」の彼らです。





何というお祭り騒ぎ!!
カンガルーが飛び跳ねています。


私の見ていた限りでは、出口付近で何組かのブリスベンサポーターが歌いだして、にぎやかに楽しそうにしているのを、FC東京のサポーターが眺めながら通り過ぎていたら、ブリスベンサポーターが手招きして呼び寄せ、だんだん大きな人だかりになって、というような流れだったようです。
この集団はこのまま千駄ヶ谷駅新宿駅まで練り歩いて、そこから結構な人たちが一緒に飲みに行ったそうです。


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どの国のサポーターもサッカー自体が大好きです。
翌5/3はJリーグが開催されていて、ブリスベンサポーターも各地のJリーグを見にいったようです。
実際、柏、浦和、清水など、あちこちのスタジアムでブリスベンのユニフォームを着て観戦する姿が目撃されています。
清水なんて結構遠いように思えますが、このチームにはアレックスという選手がいて、オーストラリア人でブリスベンに所属したこともある(しかも2005年のチーム最優秀選手)のです。
しかもユニフォームが同じオレンジ色とくれば、行かない理由がありません。
・・・のはずだったのですが、実は前節の対FC東京戦(↑参照)でアレックスは退場してしまったため、5/3の試合は出場停止だったんです。
早めに来日して4/28に東京vs清水を見たブリサポは勝ち組でした(チーム公式ツアーは4/28夜の日本到着。ちなみに公式ツアーは皇居・東京タワー・スカイツリー・浅草・富士山のてんこ盛りツアーでした。)。


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サッカーはスタジアムで見るもの、というだけではありません。
スポーツバーで見るもの、でもあります。
前日はスタジアムで自分のチームを応援して、次の日は、じゃあ今度はスポーツバーで、というのは自然の流れ。
THE・ジャパニーズ・スポーツバーと言えば・・・





ということで、浦和の“酒造・力”(しゅぞう・りき)にまで行ってますwww。
YouTubeの映像はオーストラリアの人がUPしたようです。)
力というのは浦和サポーター御用達で昔から有名な居酒屋で、とにかく熱く、とにかく濃く、他サポにはなんとなくかなり敷居が高い、そんなところ。
そんなところに突撃して、またまた盛り上がるブリスベンサポーター。
映像の後半は、浦和レッズが横浜Fマリノスに負けた直後なので、店内全体が微妙な感じでブリサポが若干浮いているような感じですが、それでも気を取り直してオーストラリアとの国際交流に貢献したレッズサポは偉いと思います。


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こういう「同じ好きなもの」で一緒に盛り上がれる、そして知らない人とつながることができるっていうのは、やっぱりいいですね。


思えば2週間前、やはりACL北京国安戦で、やっぱりアウェイサポーターは100人くらいだったんですが、ブログにも書いたように試合のタイミングが最悪(石原尖閣購入発言翌日)で、スタジアムに警察官まで入ってくるようでは、とても交流という雰囲気にはなりません。
・・・と書くと、北京国安サポーターが物理的に隔離されていたという印象を受けそうですが、別にアウェイ席に行けなかったわけじゃありません(Jリーグでも、対戦相手側ゴール裏コンコースには行けない決まりのスタジアムは結構ありますが、FC東京主催試合は基本的に応援グッズが見えなければOKというルール)。
私もコンコースを1周しました。
でも、遠巻きに警官が見てるんだもの、あまり近づかずに手を振るのが精いっぱい(funaが中国語を話せないって理由もあるけど)。
で、そんな警官からの視線を受ける日本人は、私一人。
誰一人として、北京サポーター側コンコースに近づこうとする人はいません(もう少し早い時間だったら違ったのかな?)。


しかしブリスベン戦では、アウェイ側コンコースを通る人がいない、ということもなかったようです。





この動画には
ACL第5節、FC東京 vs ブリスベーンロアーとの試合前、コンコースを周回していると、遠路はるばるやってきたブリスベーンサポと、我らがドロンパが交流しているではありませんか!」
という説明がついてますし、映像にはブリスベン側から回ってきた東京サポータも映ってます。


こういう「下地」が、試合後の「国際交流」につながったと思われます。


もし4/17の試合後に、出口付近で北京国安サポーターがパンダのぬいぐるみを高く掲げて大騒ぎしていたら、そしてそれを眺めている東京サポーターに手招きしたら、
・・・果たして「国際交流」は始まったでしょうか。


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ACLはホーム&アウェイ制なので、中国での対北京国安戦もありました。
北京工人体育場での試合(4/4)はどうだったのでしょう。
気になって調べてみたら、スタジアムへ入る方法からして「ツアーバス限定」という完全隔離(北京サポーターには近づくことすらできない)だったようです。
スタジアムでの「国際交流」は望むべくもありませんでした。


以前からそうだったのでしょうか?
そうではありません。
2007年に浦和レッズ上海申花と対戦した時、何人もの浦和サポーターが、上海サポーターと「上海スタジアムで」ユニフォーム交換をしたそうです。
観客席レベルでは一応区分けはあったものの、試合が終わればみんな同じ出口を使うので、そこで出会うのは当然のこと。
そこで「同じ好きなもの」を共有する人たちがコミュニケーションを取ろうとするのも、また当然のこと。
5年前には当たり前に行われていた「当然のこと」が、今はできません。


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2007年から2012年、この5年間で何が変わったのでしょう。


ここ数年、日本人の中国人に対する好感度がダダ下がりなんだそうです。
まあ好感度なんてものは、「相手に対する評価を測るもの」ではなく、「相手をどう評価するかが測られるもの」であって、つまり変化したのは日本人であり、それはいったい何によって変化したのか、が問題です。
日本人で、中国語を読み書きできる人は少数派でしょう。
ということは、多くの日本人にとって「中国人の語る中国人像」を直接的に知ることは少なく、知っていることの多くは「日本人の語る中国人像」であり、好感度もそれに対する評価にどうしてもなってしまいます。


それを防ぐために、例えば報道というものがあるのですが、・・・ではここで、「相手の立場になって」考えてみましょう。


FC東京のホームタウン、「東京都」。
中国人にとって、最近の「東京都にまつわる報道」と言えば、「石原都知事尖閣諸島を都の予算で購入する意向」。
「100%自国の領土だとして、しかも自国民が既に所有している土地を、その土地が所属しない地方自治体が購入する」ことに、何か意味があると考える首長と、それを支持する都民。
「ここは東京都所有の土地になります」それが何か?
所有者が代わると、より一層日本の領土になるのでしょうか?
いったい何を考えているのか、その「論理」がわかりません。
もともと「三国人」発言などでそのレイシストっぷりは広く世界に知れ渡っておりますが、そんな石原が、今度は論理が不可解な提案をして、それを多くの都民は支持しているという報道(尖閣購入の不可解論理に比べれば、レイシズムってのはまだ「理解」できる)。


そのような報道を見せられた翌日の試合、「北京国安サポーターとして」試合終了後のサポーター同士の「国際交流」を考えたとしても、目の前にいる都民が「もしかしたら石原支持の不可解論理の持ち主かもしれないぞ」と思ったら、おそらくは二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。


つまり、石原はあの発言で、わたしたちの「国際交流」を妨害したのです。


 
そして、「好感度」なんていうものは、結局はこんなことの積み重ねかもしれません。
 


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5/16(水)はACL第6戦・アウェイ対蔚山現代戦。
http://www.fctokyo.co.jp/home/index.phtml?cont=item&item=12577
日本にとって韓国も、ここ近年なにかと「微妙な関係」になりつつあります。
しかし、北京国安戦とは違い「完全隔離」ということはないでしょう。
試合後の「国際交流」も、やってしまえばこっちのもの。
都民には石原の失政を挽回する義務がありますw。
「国際交流」のコツは、このあいだブリスベンサポーターに教えてもらいました。
私は仕事(というよりお金)の関係で蔚山には行けませんが、行かれる方におきましては、是非とも一人一体、ドロンパ人形を持って行って、試合後はそれを高々と掲げて大騒ぎして、蔚山サポーターに手招きして、そしてそのまま飲みに行っちゃってくださいw。


ドロンパ人形は日本に持って帰ってきてはいけません。
ホランイ人形と交換してくるように。