クイズ「どちらが書いたものでしょう?」

新しいエントリーを書いている途中なんですが、ちょっとしたクイズを思いついたので、そちらを先にUPします。
(書いている途中のモノを書き上げてUPしてしまったら、そこに答えが書いてあるのでクイズにならなくなっちゃうんですw。)


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<クイズ>


以下に示した2つのネット記事のタイトルA・Bは、その下のa・bそれぞれどちらの人が書いたものでしょうか?


<記事タイトル>


A.「格差是正が成長を生む 『日本の景気は賃金が決める』」


B.「『賃金の下落がデフレの原因』論の荒唐無稽」


<書いた人>


a.池田信夫(経済学者)


b.今田真人(経済ジャーナリスト)


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どっちがノビーの言いそうなことかを考えれば、こんなの簡単じゃないかって?


ではヒント。本文を一部抜粋します。


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<ヒント1>


A.
本書はそれとは違って、デフレが起こったメカニズムを定量的に示している。
それは吉川洋氏が示したのと同じく、賃下げである。
次の図を見ただけでも、強い相関関係は明らかだろう。
しかも「デフレが賃下げをもたらした」という因果関係はありえない。平均給与(名目賃金)の引き下げがデフレに先行しており、しかも低下率が大きいからである。
賃下げは特に中小企業に著しく、そのコストの8割は賃金だから、これだけでデフレを説明するには十分である。


B.
商品の価格は基本的に、労働者が生産時に投入した平均的な労働の量(価値)で決まると考えます。
この仕組みを、一般的ないい方でいうと、商品の価格は基本的に、適正に計算された生産コスト(以下、適正価格という)で決まるということです。
そして、商品の価格は、その適正価格を中心に、需要と供給の力関係で若干上下するだけです。
いくら需要が少ないからといっても、企業が、商品の適正価格を考えずに、商品価格を継続的に下げ続けるということはありません。


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ここで(クイズの答えは知らないけれども)経済学には詳しい、という人なら、あれっ?となるのではないでしょうか。


さらにヒント。


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<ヒント2>


A.
賃下げは、主として採用抑制と非正社員の増加で行なわれた。
これも多くの統計の示す通りである。
非正社員の半分以上は主婦のパートなので、賃下げは世代間や男女の格差拡大によっておこなわれたのだ。
このため消費性向の高い非正社員の消費が減り、消費しない中高年が増えて個人消費も低迷したことがデフレを悪化させた。


B.
そもそも、労働者が生産する商品の価格(価値)の変動と、労働者の賃金(労働力の価値)のアップ・ダウンとは、直接的な関係はありません。
このことは、マルクス主義経済学のイロハです。〈注1〉
商品の価格(価値)=売上高=は、その商品の生産に投入された労働の量(労働時間で測る)で決まります。
一方、労働者の賃金は、「総売上高」が「労働者の賃金」と「資本家の収入(株主配当・役員報酬・銀行への支払い利息など)」にどう分配されるかという問題であり、労働者と資本家のたたかい、いわば階級闘争で決まるものです。


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さてどうでしたか。


もう答えはわかりましたよね。


正解はA=a、B=bです。


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格差是正が成長を生む『日本の景気は賃金が決める』」池田信夫
http://agora-web.jp/archives/1530855.html


「『賃金の下落がデフレの原因』論の荒唐無稽」今田真人
http://masato555.justhpbs.jp/newpage76.html


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(7/4追記)


いまさらながら、それでも一応誤解の無いように書いておきますが、このエントリーを以って、池田氏を擁護したり、ほら池田氏にも少しはいいところがあるよ、とか、そんな意図はまったくありません。
むしろ、あの池田氏ですらこの程度のことは理解している、ということを言いたいのであって、たとえばこちら(http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/713825b042ffbcb5747ef9ff49800512)の方が
「この浜田氏のトンデモ発言には、かつて浜田氏の講義を聴いたという新自由主義経済評論家の池田信夫氏でさえ、「デフレの原因は名目賃金の低下である」と真っ向から批判しています。」
と書かれているような、そういう意味合いでかかれたものである、とご理解ください。